32歳、同い年の旧友と電話。

「大人になるってさー、いろんなことを諦められるようになることじゃないかなって思う」
「別にそれは夢とかじゃなくてね」
「うん、別に夢を諦めてもいいんだけど、主に他人とのかかわりについてかな」
「友達が自分と絶対的に違う意見を主張していたら、若い頃ならどうにかして言い負かそうとか、許せないとか思ってたけど、最近はもう仕方ないねって流す」
「彼氏相手でもケンカ減ってきた。許せないことは減らないんだけど、めんどくさいから黙って目と口を閉じる」
「人の本質は中学生くらいから変わらないってことを、最近わかってきた。彼氏の悪いとことか私が直してあげよう!って思うのとかゴーマンだよね。がんばっても無理だからww変わるわけないからwwそれで何度失敗したことか」
「大人になるって、どんどんそうやって目とか口とか心とかを閉ざしていくことなのかね そうだとしたら寂しいけど」
「寂しいけど、諦めるじゃなくて 許せる範囲が増えるって考えたらちょっとまし」
「そして自分も他人からみたらどんどん頑なになっていってるわけですよ、きっと」
「柔軟に、ですね。自分も他人にも」